老年期のうつ状態では、潜在性脳梗塞、すなわち、脳卒中になったことはないのに、MRIを撮ってみたら脳便塞が見つかった、という場合が多く見られています。
うつ病の原因については年を取ってからなることで他の症状も出てくることになるのです。
脳梗塞によるうつ病は、大きな脳梗塞だけに起こるのではなく、小さな脳梗塞によっても引き起こされる危険性があります。一番怖いことは、脳梗塞によるうつ病と生活習慣病によるうつ病と見分けがつかないことです。
つまり、一般のうつ病と勘違いしてしまい、脳梗塞によって命を落とすこともあるわけです。
老年期(65歳以上)発症のうつ病患者さんでは、ほとんど全員に脳梗塞が見られるという。ただし、潜在性脳梗塞は、一般人口でも数割に見られるので、これ自体は異常というわけではありません。
脳梗塞の痕を持つうつ病患者さんは、治療効果が遅く、治療の副作用が出やすく、軽い後遺症(考えや動作がゆっくりになるなど)を残す場合があるなど、治療はやや難しくなります。
脳梗塞によるうつ病の典型的な症状は、とにかく自分自身の将来に悲観して涙を流し続けることにあります。それは人前であろうと関係ありません。この関係はとても複雑なのです。